誰かに教えたくなる蔵物語

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誰かに教えたくなる蔵物語

焼酎「六調子」の名前の由来でしょうか。「球磨の名所は青井さんの御門~」で始まる民謡「球磨の六調子」は、地元の祝宴に欠かせない歌。その三味線のリズムを「六調子」と呼ぶそうです。
 
ところで、木造の風格ある六調子酒造の本社は、玄関戸をくぐるとまるで美術館のような展示が。これまで獲得した国内外の酒類コンクールの楯や賞状に加え、焼酎ラベルの原画や書が並んでいます。「特吟 六調子」というシリーズ銘柄は、ラベルを型絵染めの第一人者である人間国宝の芹沢銈介氏が手掛けています。熟成された年数によって異なる、青・赤・黄で彩色されたラベルは、酒棚でひときわ目を引きます。また「心月」という焼酎のラベルは昭和42年に文化勲章を辞退した洋画家・熊谷守一氏の書。さらに「圓(えん)」のラベルは地元の書家・河内雪峰の筆です。
 
明治生まれの歌人・吉野秀雄氏は六調子の前身「岳の露」を飲んで「肥のくにの球磨焼酎のよろしさはひとたび飲みてつひに忘れず」と詠みました。ほかにも多くの文人が球磨焼酎を愛でる歌や句を残しています。「酒は単なるし好品ではなく、地域の文化なのです」と池邊社長。六調子酒造は人吉球磨の文化とともにこれからも飲み続けられることでしょう。

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